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この世の春 [宮部みゆき]

宮部みゆき30周年記念出版らしいですね。

感想を書こうとして、マイカテゴリーに「宮部みゆき」がない
ことに愕然。

これまでも読んでいるのに、なぜ感想を書いて来なかった
のでしょう?

ネタバレが嫌だっかのか?

それとも作品が苦手だったのか?

ちょっと答えがわかりません。

なんとなく感想が書きにくいという気がしていたのかも。



これから少しずつ書いていきましょう。



「この世の春」上下巻


帯の紹介文に惹かれて読み始めましたが、

帯とは全く違う世界が待っていました。


いきりょう、

ではなく。

時代モノの背景を借りた、

極めて現代的といえる、物語でもあります。


ただ、その物語に豊かさを与えるのは、

とても「武士」らしい武士であったり、

今はもう見られない「馬子」であったり、

「主」のために尽くそうとする姿であったり。

現代に生きる人の姿では描ききれない豊かな個性を持った

人々です。

さらに主君の抱える苦しみと、

その原因となった事情も、

あからさなまに現代の事情で描いてしまうと、

薄汚い貧しいイメージになりかねない、

そういうところも、

藩邸の

しかも江戸屋敷、というシチュエーションがあれば、


さらに「仮面」や「名君」と言われた藩主を配することで、

内実は同じでも、ある種の雅さというのか、

風雅さ、というのか

そんな香りを発することができます。

山村の皆殺しや、

子どもの殺害についても

同様に、

時代の背景があればこそ

描けるもの。

核の部分と、

人と、

さらに『恋』までも含めて、

無理なく描ききった作品だと思いました。



「ミステリー」という分野が、謎解きに終わってしまったり、

「名探偵」の登場で満足してしまったり。


なんとなく物足りない感が残るのですが、


豊かな満足感が持てる読書の時間になりました。












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